コーヒーはどうカラダにいいのか

“コーヒーがカラダにいい”とする情報が相次いで発表されています。

コーヒーがカラダにいいとする情報として一般に次のようがあります。
・動脈硬化予防・血液サラサラ効果

・脂肪燃焼効率を高める

・運動時のパフォーマンスを上げる

・2型糖尿病の予防

・気分しゃっきり、覚醒効果

・がん予防(肝がん、子宮体がん)

・リラックス作用

これらについて順にしくみなど少し詳しくみてみます。

動脈硬化を予防

コーヒーは「自然に老いる」をサポートします。

それは血液サラサラにし血管をしなやかにするからです。

コーヒーにはポリフェノールの一種であるクロロゲン酸が多く含まれています。クロロゲン酸は、コーヒーの健康成分として一番知られている存在です。

クロロゲン酸は、体に入ると肝臓で代謝されて半分以上がフェルラ酸という成分に変わります。これが血管内で血小板が固まるのを防ぎ、血液をサラサラにするのです。

また、クロロゲン酸は、その強い抗酸化作用によって体内の炎症を抑え、血管壁にプラークを作りにくくし、血管壁の内皮細胞に作用して血管をしなやかに保ちます

さらに、コーヒーの香り成分も血管の若返りに貢献します。コーヒーの香りの中心的存在であるピラジン酸は、血小板が固まるのを強く抑制することがわかっています。このコーヒーの香り成分は空気中に漂う分の何百倍もの量がコーヒーの液体中に溶け込んでいます。

つまり、コーヒーを飲んでおけば、血液をサラサラにしてくれた上に、抗酸化作用で血管をしなやかにしてくれることになります。

「人は血管とともに老いる」といわれます。自然に老いるためにしなやかで丈夫な血管をキープしたいなら、毎日コーヒーを飲んでおくといいわけです。

世界中で行われた疫学調査の結果、「コーヒーをある程度飲むと心筋梗塞を予防できる」「死亡率も低くなる」という事実が続々と発表されています。

心臓病が死因のトップである欧米はもちろん、日本でも動脈硬化を予防することは非常に重要です。

脂肪燃焼効率を高める

コーヒーは脂肪燃焼を促進します。

コーヒーの脂肪燃焼作用を詳しく見ると、クロロゲン酸の働きとカフェインの働きという2つの側面があります。両方とも脂肪を燃焼させる効果がある成分ですが、それぞれ働き方が少し異なります。

クロロゲン酸を摂取すると、脂肪が燃えやすいカラダがつくれます
それは肝臓で脂質代謝が活発になり、脂質の燃焼によるエネルギー消費が増加するからです。これはトクホでもおなじみのお茶のカテキンと共通する働きです。

 一方、カフェインは脂肪そのものを消費されやすくしますリパーゼという酵素を活性化させ、脂肪がエネルギーとして活用されやすくして脂肪燃焼を促進します、

このようにコーヒーには、脂肪燃焼を促進する2つの成分が同時に、しかも豊富に含まれています。

運動のパフォーマンスを上げる

「運動前にカフェインを摂取すると運動能力がアップする」という研究成果もあります。だからこそ、以前はスポーツ競技でドーピングの対象となる薬物にカフェインが含まれていたのです。ただし、2004年以降禁止物質から除外されています。

つまり、運動前にカフェインを含むコーヒーを飲むことは、脂肪の燃焼を促進すると同時に、運動能力がアップするのです。

コーヒーは脂肪燃焼を促進するといっても、コーヒー飲むだけで痩せるわけではありません効果を高めるポイントは「運動との組み合わせ」です。

運動と組み合わせて、運動前にコーヒーを飲んで運動パフォーマンスを上げると同時に脂肪燃焼効率を上げるのです。

血糖値を下げる

成人で発病する糖尿病のほとんどは2型糖尿病です。これは生活習慣病です。

この2型糖尿病についての研究結果が2002年発表され、世界中に大きな影響を及ぼしました。
それは「コーヒーを17杯飲む人は、12杯以下の人に比べて2型糖尿病発症リスクが50%下がる」という発表です。(「ランセット(Lancet)」という科学雑誌に発表)
約1万7000人のオランダ人男女を平均で7年間追跡した結果をまとめたものです。

それ以降、フィンランド、スウェーデン、米国でも続々と糖尿病に対して効果があるという報告が発表されました。

それらによって「コーヒーが2型糖尿病の発症を予防する」ことはほぼ確実ではないか、と考えられるようになったわけです。

日本では、九州大学の研究成果があります。
コーヒーを飲まなかったグループは、時間経過によって血糖値が上がり、コーヒーを飲んだグループは血糖値の上昇が抑えられたというものでした。

血糖値上昇を抑える効果は、おそらくクロロゲン酸の作用ではないかと考えてられます。
インスリンを分泌する「膵β細胞」にクロロゲン酸が保護的に働く、クロロゲン酸が腸管での糖の吸収を抑制する、血糖値を上昇させる酵素の働きを抑えるなどの報告があります。

糖尿病については、日本を含む先進国だけでなく、アジアやアフリカなどの途上国でも深刻な事態となっています。特に中国とインドでは糖尿病が今後爆発的に増加すると予測されています。

そんな中、コーヒーを飲む習慣は糖尿病予防にもつながるとして、世界的にも注目されています。

気分しゃっきり、覚醒効果

コーヒーを“昼寝の前”に飲むことで、朝だけではなく、カフェインの覚醒作用で昼寝起きの頭をスッキリさせ、その後の集中力をぐっと高めることができます。

このことは、次の研究で明らかにされています。

広島大学大学院総合科学研究科行動科学講座の林光緒教授らの研究では、10人の大学生が「昼寝なし」「昼寝あり」「昼寝+目覚めた直後に洗顔する」「昼寝+目覚めた直後に明るい光を浴びる」「コーヒーを飲んでから昼寝する」という5つの条件で実験が行われた。
その結果、「昼寝前にコーヒーを摂取」したときがもっとも昼寝後の眠気が抑えられ、作業ミスも減少することがわかったとのことです。

つまり、コーヒーを飲んでから昼寝をすると、起きた後の眠気が総じて最も少なくなる、ということです。

 また、イギリスの研究でも、ドライバーの眠気対策として、「コーヒーを飲んで15分までの昼寝をすると、コーヒーを飲まなかった場合よりも眠気が低減された」という報告がされている(Psychophysiol,33(3),306-9,1996)。

コーヒーに含まれるカフェインが脳に届くまでには20~30分かかるといわれます。

眠気を感じたときにコーヒーを飲んでも、すぐには覚醒効果は表れません。そこで、昼寝前にコーヒーを飲み、すぐさま短時間眠るのです。すると、起きるころにカフェインが効きはじめるので、シャキッと起きられるのです。

このコーヒーの活用法は、 “コーヒーナップ”(ナップとは昼寝の意味)」として世界的な話題になっています。

がん予防 肝臓がんと子宮体がん

2005年には、日本の国立がん研究センターのコホート研究によって、「コーヒーをよく飲んでいる人は肝臓がんの発症率が低い。1日5杯以上飲む人は肝臓がん発生率が4分の1になる」と明らかにされました。

肝臓がんと子宮体がんの予防に効果が期待できる、という。

国立がん研究センターによる調査・研究によると、肝臓がんを抑える効果は「ほぼ確実」、子宮体がんを抑える効果は「可能性あり」と判定されている。

この研究では、40~69歳の男女約9万人について、調査開始時のコーヒー摂取頻度により6つのグループに分けて、その後の肝臓がんの発生率を比較しました。

その結果は、「コーヒーをほとんど飲まない人と比べ、ほぼ毎日飲む人は肝臓がんの発生リスクが約半分に減少する」というものでした。1日の摂取量が増えるほどリスクが低下しました。1日5杯以上飲む人では、肝臓がんの発生率は4分の1にまで低下していました。

肝臓がんのような特定のがんについては、コーヒーを日々飲むことで発生リスクを抑えられる可能性があるということです。 

上述のように、コーヒーは「糖尿病予防」効果と「抗酸化作用」の両面からがんを抑制する働きをしていると考えられます。

リラックス作用

コーヒーの生豆を焙煎すると熱によって成分が変化してリラックス作用をもたらす物質(NMP(N-メチルピリジニウムイオン))が発生します。これは副交感神経を刺激してリラックス作用をもたらします。このリラックス作用は、焙煎するほどに作用が増加します。

コーヒーポリフェノールであるクロロゲン酸は焙煎して熱を加えることによってその含有量は低くなります。しかし、深く焙煎したコーヒーはリラックスするにはよいということになります。

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カラダにいいコーヒーのいれ方とは

コーヒーはカラダにいいのか悪いのか、最新研究ではカラダにいいことづくめだったことが明らかにされていますね。もうご存知のかたも多いことでしょう。

しかしコーヒーの「カラダにいい効果」を引き出すには「淹れ方」がとても大切です。

同じ1杯のコーヒーでも、コーヒー豆の煎り方によって成分は違ってくる。
また、コーヒーをお湯で抽出する際、フィルターを使うかどうかによっても健康への影響は変わってくる。
さらに飲むタイミングが適切であれば「カラダにいいこと」を最大化できます。

順に紹介します。

豆の煎り方によって成分が違う

コーヒーの生豆を焙煎したものを挽いて、お湯で抽出して飲むとき、
焙煎の度合い、つまり熱を加える時間によって、コーヒー豆に含まれる成分は変化します。

コーヒーに含まれるカフェインは熱を受けてもほとんど変化しないのに対して、ポリフェノールのクロロゲン酸は熱により変化します。

生豆を焙煎して熱を加えてゆくと、ポリフェノールは減ってゆきます。
ですから、ポリフェノールのクロロゲン酸を摂ろうとするなら浅煎りで飲むのがおすすめです

クロロゲン酸は動脈硬化を予防

「クロロゲン酸」は、その強い抗酸化作用によって体内の炎症を抑え、血管壁にプラークを作りにくくし、血管壁の内皮細胞に作用して血管をしなやかに保ちます

 その昔、例えば1960年代は、「ポリフェノールは人間の必須栄養素ではないから、あまり役に立つ成分ではない」と考えられていたといいます。

しかし、それ以降、世界中で疫学調査が行われ、「コーヒーをある程度飲むと心筋梗塞を予防できる」「死亡率も低くなる」という事実が続々と発表されたため、その意識も大きく変わっています。

死因のトップクラスになっている心臓病を防ぐには、動脈硬化を予防することは非常に重要です。

リラックスには深煎り豆がおすすめ

一方、焙煎すると増える成分があります。

生豆には熱を加えると変化する成分が含まれていて、焙煎すると、抗血栓作用を持つ物質(ニコチン酸)や、副交感神経を刺激してリラックス作用をもたらす物質(NMP・N-メチルピリジニウムイオン)ができます。焙煎するほどにこのリラックス作用は増加します。

ということは、
浅煎りコーヒーでも深煎りコーヒーでも、どちらもカラダにいい成分が含まれていることになります。飲む目的に応じてコーヒーは適当な煎り方の豆で楽しめばよいわけです。

健康に配慮するなら「フィルターで抽出」がおすすめ

健康に配慮するならぜひおすすめしたいのが「フィルターで抽出する方法」 です。

フィルターを使うかどうかは実はコーヒーを健康的に飲む大きなポイントなのです。

ペーパーフィルターやネルなどでドリップしている、という人は大正解です。というのは、コーヒー豆には、コレステロール値や中性脂肪値を高くする精油成分が含まれているからです。

これは水やお湯には溶けませんがコーヒーの油分に溶けて液面に浮かびます。抽出する際にフィルターを使っていれば、この油分がフィルターに引っかかって除去されるのです。

一方、フィルターを使わずに抽出液に粉が混ざっていたり、沸騰させて強く煮出したコーヒーを飲むと高脂血症につながる可能性があります。

 そもそも、1980年代前半まで「コーヒーはカラダに悪い」と思われていたのは、
当時、北欧で、「コーヒーは心筋梗塞を引き起こしやすい」という報告があったためです。北欧では挽いたコーヒー豆を鍋で煮出してして抽出する飲み方が行われており、精油成分を摂取していたのが原因だと考えられています。

 日本ではコーヒー豆を鍋で煮出してして飲む習慣はありませんが、最近は、コーヒーの粉を容器に入れ、プランジャーという金属フィルターを押し下げて抽出する「フレンチプレス」という方式で楽しむ人も増えている。

しかし専門家によれば、フレンチプレスでは抽出された精油成分が十分に除去されないそうです。また蒸気で勢いよく抽出するエスプレッソにも精油成分は含まれるので、飲む頻度は控えめにしたほうがいいそうです。

さらに専門家は、コーヒーのさまざまな有効成分を余すことなく抽出するには、蒸らし時間を長くとりながら、ゆっくり抽出するのがコツ、とアドバイスしています。

飲むタイミングによって効果をあげる

コーヒーを飲むタイミングは大切です。

目的に合ったタイミングでコーヒーを飲むと、カラダにいいことを最大化できます。
そのために大切なタイミングは、以下の3つです。

  • 集中力を高めるタイミング:昼寝前
  • 脂肪燃焼効率を高めるタイミング:運動前
  • 血液サラサラにするタイミング:食後や飲酒後

 

集中力を高めるタイミング:昼寝前

コーヒーを“昼寝の前”に飲むことで、朝だけではなく、カフェインの覚醒作用で昼寝起きの頭をスッキリさせ、その後の集中力をぐっと高めることができます。

このことは、次の研究で明らかにされています。

広島大学大学院総合科学研究科行動科学講座の林光緒教授らの研究では、10人の大学生が「昼寝なし」「昼寝あり」「昼寝+目覚めた直後に洗顔する」「昼寝+目覚めた直後に明るい光を浴びる」「コーヒーを飲んでから昼寝する」という5つの条件で実験が行われた。
その結果、「昼寝前にコーヒーを摂取」したときがもっとも昼寝後の眠気が抑えられ、作業ミスも減少することがわかったとのことです。

つまり、コーヒーを飲んでから昼寝をすると、起きた後の眠気が総じて最も少なくなる、ということです。

 また、イギリスの研究でも、ドライバーの眠気対策として、「コーヒーを飲んで15分までの昼寝をすると、コーヒーを飲まなかった場合よりも眠気が低減された」という報告がされている(Psychophysiol,33(3),306-9,1996)。

コーヒーに含まれるカフェインが脳に届くまでには20~30分かかるといわれます。

眠気を感じたときにコーヒーを飲んでも、すぐには覚醒効果は表れません。そこで、昼寝前にコーヒーを飲み、すぐさま短時間眠るのです。すると、起きるころにカフェインが効きはじめるので、シャキッと起きられるのです。

このコーヒーの活用法は、 “コーヒーナップ”(ナップとは昼寝の意味)」として世界的な話題になっています。

脂肪燃焼効率を高めるタイミング:運動前

コーヒーは、ポリフェノール(クロロゲン酸)とカフェインという2つの脂肪燃焼効果がある成分を含んでいます。したがって、運動する1時間前ぐらいにコーヒーを飲んでおくと、運動することによって脂肪が燃焼し始めるころに、カフェインも血中でピークになり、脂肪燃焼効果を高められます。カフェインは、脂肪細胞にある酵素を活性化することによって脂肪をエネルギーとして活用しやすくします。

また、 コーヒーポリフェノールであるクロロゲン酸は、肝臓での脂質の代謝を活発にし、脂肪燃焼によるエネルギー消費を増加させます。

血液サラサラにするタイミング:食事後や飲酒後

コーヒーには血液サラサラにする効果があります。

コーヒー飲むとクロロゲン酸などのコーヒーポリフェノールが肝臓で代謝され、血管内で血小板が固まるのを阻止する成分(フェルラ酸)などに変わります。このため血液をサラサラにする作用があると考えられています。

食事後や飲酒後に飲むと、血栓症予防になるわけです。
夜だったらデカフェのコーヒーも活用できます。お酒を飲んだときに飲むのが一番いいのです。アルコールによる肝機能の低下を抑えてくれます。

 ただ、夜遅くコーヒーを飲むとカフェインの覚醒効果が働いて眠れなくなってしまうので、その際はカフェイン抜きの「デカフェ」を選ぶ。最近はデカフェのコーヒーも入手しやすくなりました。さらに、翌朝もコーヒーを飲むと、前日夜に飲んだアルコールの代謝で疲れた肝臓を元気づけることができます。

 

カフェインとクスリに注意

アルコールと同時にカフェインを摂取すると、カフェインの覚醒作用により酔っている実感を得にくくなります。

つまり、酔っているのにそれが自覚できず、ハイペースでアルコールを摂取しかねないので、飲み過ぎになりがちです。

 また、薬とコーヒーの同時摂取も注意が必要です。コーヒーのカフェインは肝臓で代謝されますが、同じく肝臓で代謝される薬の成分の効果を邪魔する可能性があるからです。

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