がん治療進化は日進月歩の勢いに乗ってがんを治める日が近いことを予感させる。
その進化のひとつ、最も期待しているもののひとつがiPS細胞。
期待する理由は、つぎのとおり。
iPS細胞は人体実験を代替してくれる。
iPS細胞は神経細胞などの再生ができる。
iPS細胞は疲れない。がんのように生き続けられる。
iPS細胞を使って難治病といわれるALS治療薬が既存薬から発見された。
これは様々な薬剤を試せた成果だという。
一方、ヒトの遺伝子検査により、遺伝子異常を発見する試みが行われている。
遺伝子の異常がさまざまな病を引き起こすなら病予防、治療に役立つことになる。
ということは、
iPS細胞を使って自分と同じ遺伝子特性をもつ模型(クローン)をつくれば、
薬の効き目や副作用だけでなくがんなどの発病可能性やその予防、治療策が分かる日が遠くないということになる。
『iPS細胞は自己のクローンを実現しPersonal Medicineへの道を開く。』
といえます。
これこそが、Precision Medicineといえます。
iPS細胞 利・活用
目を転じて現実に目を向けてみると、
報道からすると、
心臓病、パーキンソン病、骨髄損傷、筋萎縮性側索硬化症(ALS)、がんなどの治療にiPS細胞が利活用されている。
iPS細胞利活用の今を概観してみよう。
- 心臓病治療でiPS細胞由来の心筋細胞を移植。治験へ
iPS細胞から作製した心筋細胞による臨床研究がスタート。
重症虚血性心筋症の患者に対して、他家(患者由来でない)iPS細胞を用いて心筋細胞シートを作製し、移植する。
- パーキンソン病治療にiPS細胞由来の細胞移植。治験へ
iPS細胞からつくった神経細胞をパーキンソン病患者の脳に移植する臨床試験(治験)が始まる。
- 脊髄損傷治療にiPS細胞由来の神経細胞移植。治験へ
iPS細胞から神経の細胞を作り、脊髄損傷で手足を動かせなくなった患者に移植する臨床研究計画を厚生労働省に提出し、了承されれば2019年度内にも移植を行う。
- ALS治療薬をiPS細胞利用により既存薬の中から発見。
iPS細胞を使って病気の状態を再現し、薬の候補を探す「創薬」により、パーキンソン病の既存薬が筋萎縮性側索硬化症(ALS)に効くことを発見した。 - がん免疫治療として、遺伝子編集により作製したiPS細胞により、キラーT細胞のがん攻撃力強化。
キラーT細胞のがん細胞への攻撃力強化にiPS細胞を活用。
つまり、
iPS細胞由来の細胞再生治療
iPS細胞利用の創薬
iPS細胞と遺伝子治療の組み合わせ
によって難治とされてきた病の平癒に向かっているといえます。
懸念
自己クローン利活用には「倫理観念」が要る。
どう使うかは人それぞれ。
ほかのヒトを傷つけないために、
法というより束縛と映らないコントロールが要る。
非常に難しい問題です。
さらに
ヒトは生き続けてしまっていいのだろうか?
がんは自然にヒトをこの世から去らしめてくれるものとも云える。
それを治め、難治の辛さを治め、iPS細胞再生できると
何がヒトをこの世から去らしめてくれるのか?
最後に
自分のゲノムをどう保持するか?
膨大なデータは機密が求められる。
今のところ安全に保持できるものが一見すると、
見当たらないのはこわいことです。
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