運動がなぜいいか?

ストレス

要旨

ストレスに強くなる。

糖尿病が予防・治療できる

動脈硬化予防できる。

ストレスに強くなる

運動してストレス解消!などという声をよく聴く。
確かに運動した後にスッキリ感を味わうことが多い。
そのメカニズムについて調べてみた。

運動は自律神経が興奮するのを抑えてくれる。
ストレス反応の暴走を抑え脳の構造を変える
という。

脳の延髄は扁桃体と自律神経を繋ぐ場所にあるが、
運動をすれば、延髄の神経細胞の突起数を減らし、
扁桃体で受けたストレスを自律神経に伝わりにくくする。
そのためストレスを受けても自律神経に影響が伝わらなくなる。

つまり、運動をすれば自律神経の過剰興奮を抑え、
運動しなければ自律神経はどんどん敏感になって
少しのストレスでも大げさに自律神経が反応するようになる。

さらに、延髄は副腎にも繋がっているため、
運動すればストレス信号が副腎に伝わりにくくなり、
多少のストレスではストレスホルモンが出なくなるという。

つまり、運動によって脳の構造が変わりストレスに強くなるわけです。

ストレス対策の運動のポイントは…

息が少し上がる程度のウォーキングなどの有酸素運動を30分、週3回体に少しの負荷をかけるとよい、とされています。

時間がない方は、通勤の時に少し早く歩くなどでも良い。

糖尿病が予防・治療できる

運動で筋肉を動かせば、糖の利用が増えて、血糖値が下がります。
そのため運動療法は糖尿病対策の重要な柱となります。

運動には、酸素のとり方の違いから有酸素運動と筋トレがありますが、
どちらも血糖値を改善します。

近年の研究から、理想は両方を併用することだと分かってきています。

あえて2つを比較するなら、有酸素運動の方が効果が高い。

このことを証明する以下の研究があります。

糖尿病患者262人を対象にした米国で行われた研究結果によれば、
次の4グループに分け、
筋トのみ(73人)、
有酸素運動のみ(72人)、有酸素運動と筋トレ併用(76人)、
運動なし(41人)
それぞれ血糖値の指標であるヘモグロビンを測定。
結果、

ヘモグロビン低下の大きい順、つまり効果が高い順は、「有酸素と筋トレ併用」>「有酸素のみ」>「筋トレのみ」であった。(JAMA. 2010; 304: 2253-62.)

また、

もっと多くの患者データを解析した別の研究でも、
血糖値に対する運動の効果の高い順は「有酸素と筋トレ併用」>「有酸素のみ」>「筋トレのみ」となりました(Diabetologia 2014; 57: 1789-97.)。

糖尿病はサイレント・キラー

糖尿病は自覚症状がほとんどありませんが、
高血糖の状態が血管や神経にダメージを与え、やがて網膜症(悪化すると失明)、腎症(悪化すると透析が必要)、神経障害(悪化すると下肢などを切断することも)といった深刻な合併症を引き起こすことに繋がります。

糖尿病になると、体の内部がじわじわとむしばまれ、やがて致命的な事態に至ります。このため糖尿病は「サイレント・キラー」(静かなる暗殺者)と呼ばれています。

このような恐ろしい病の治療として、血糖値を下げるため運動しない手はありません。

動脈硬化予防できる

私たちの血管にある内皮細胞には、もともと血液が固まるのを防いだり、血管を拡げるなど動脈硬化を防ぐさまざまな働きがあります。
この「内皮細胞」と呼ばれる部分からは一酸化窒素が出ますが、

この一酸化窒素には血管を拡張し、しなやかにすることで、動脈硬化を防ぐ作用があります。

有酸素運動には一酸化窒素(NO)の分泌を増やし、血管を拡張させる作用があります。

どの程度の運動がよいのか

65歳以上の5000人を対象に15年以上にわたり調査研究した結果では、
「1日8000歩・(そのうち)中強度の運動20分」という報告があります。

とはいえ、「適度な運動」についてはさまざまな情報があり、人それぞれの生活パターンをもとに決めることになります。そのとき、すでに行われた上記調査のようなものは参考になります。 

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