独自性と標準準拠

新たなシステムをつくる栄誉に浴した人が
必ず思い悩むことがある。
その目的は何か?と。

予め定められていたとしても
指示され方によっては悩む
中間層がいるはず。
私もそうでした。

ここでは中間層の視点で語ることにします。

システムをつくる目的で最も多いのは
独自性による競争優位のメリット享受と並んで

もうひとつ多いのは
標準準拠による標準による効率化メリット享受であろう。

後者はStandardization,Global Standardともいわれる。

両方とも目指す欲張りな人がいる。
しかし、これら2つの目的は
本来、相対するもの。

2つを目指す欲張りは
「独自性と標準化」というテーマの議論・検討を
することになる。

かつてこの検討に立ち向かい成功したと
評価された人はいた。

しかしそんな人の例は、多くはない。
成功と評価されると有名になるほどであった。
それくらい実現が難しいテーマなのだった。

何故か?

製造業を例に話します。

日本の製造業は世界に冠たるものだと
自負してよいと思う。
民族性であろうが、
外国を見聞した私の結論です。

だから日本の製造産業には
長い歴史と豊富な独自技術・独自性がある。

従って、歴史ある製造業であればあるほど
この独自性を活かしたシステムが存在している。
そしてそれが競争力優位の源泉になっていた。

この独自システムが単純な更新システム
であればそう難しいことではない。

しかし多くの周辺システムと
どうコラボするかで、みなさん悩むのです。

悩んだ末、
結果的に成功と評価されないことが
如何に多いことか。

独自システムの独自性で
競争力優位が実現できるのが単純に
わかれば悩みは深くならないであろう。

しかし今の世の中では
そう単純には解らないし見通せない。
不確実な時代の見込のむずかしさである。

そうなると、
独自性メリットと標準化メリットの両方を
目指すという「欲張り」な見方は結局
「安全な」考えに落ち着くのです。

これは中間層である故の
悲しい判断とも云えますが・・・・。

ここで経営層の英断があれば
力で押し通せます。
しかしそれはオススメではない。

欲張りな大方針になったとき、
システム全体をどう作るかは

その範囲、プロジェクトステータス
(位置付け)によって
当然、期間と費用に影響します。

ここからはベンダー各社が提案について
手ぐすねひいてまっている世界に
飛び込むことになります。

組織は、大方針の基礎を踏まえた
コントロール求められます。

ベンダー訴求は当該組織の特性
(癖)を踏まえないと上手くいかない。
杓子定規な訴求では
歯が立たないと心得るべきです。

私の少ない経験では
複数システムの場合でしたが、
組織は中長期視点から
首尾一貫した運営が必要になります。

中長期期間であっても1~1.5年ごとに
マイルストーンをおくことによって
漸進を示しながら成功に向かえます。

総じて、
独自システムを活かす一方、それ以外では
GlobalStandardに合わせるという
無難な方針になることが多い。

しかし
独自システムとは何を、どこまでか、とか、
GlobalStandardシステムとは何を、どこまでか、

そしてそれらの統合をどうやるか、
で思い悩むことになるのです。

ここにベンダー各社の提案機会が
たくさんあります。

【独自システムと標準システムとの
テクニカルなコラボについては
別稿に譲ります。】

組織としてはベンダー提案に対して
「慧眼」が求められることは
言うまでもないことです。

成功例を知ることは重要です。
しかしヒントが得られるかもしれませんが
所詮、参考でしかない。

ベンダーによるテクノロジーの競演が
如何に優れたものであっても
実行は人が行うこと、
最も大切なことは実は
慧眼を有した人材確保なのです。

そのような人材をどう育てるか、
組織に突き付けられた古くて新しい問題が
根本にあると経験的に思います。

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